逃げたあと、すぐに前を向けたわけじゃありませんでした。
頭も心もまだ全然追いついてなかった。
これからどう生きてくか、仕事のこと、お金のこと。
考えなきゃいけないことは山ほどあるのに、何も考えられなかった。
ただ1日を終わらせること、子どもを守ることだけで精一杯でした。
「立て直す」なんて言葉は、そのときの私には遠すぎました。
逃げたあと、生きるために必要だったもの
正直、頼ることには強い抵抗がありました。
助けを求めることは、自分の中で簡単なことじゃなかった。
施設に入ることも、生活保護を受けることも、自分が弱い人間になってしまったような気がして、情けなさや悔しさでいっぱいでした。
それでも他に選択肢はありませんでした。
子どもを守り、生きていくためには、ひとりで抱え込んだままでは限界だった。
頼ると決めたのは、前向きだったからじゃありません。
ただ、生きるために必要だったから。
施設では、守られているはずなのに、周りと比べてしまったり、自分だけが取り残されたような気持ちになることもありました。
生活保護を受けるときも同じだった。
誰にも知られたくなかったし、できるなら使いたくなかった。
でも、あのとき頼らなければ、子どもと一緒にここまでくることはできなかったと思います。
「頑張らなきゃ」そう思えば思うほど、心と体は追い詰められていました。
頼ることは、甘えじゃなかった。
逃げでも、恥ずかしいことでもなかった。
あの状況で選べる、精一杯の生き方でした。
▶︎生活保護を受けるしかなかった私ー迷いと救われた瞬間
守られているはずなのに、心は全然楽にならなかった
安全な場所にいるのに、眠れなかったり、不安になったり、胸が苦しい日が続いていました。
実際に離れてみると、体は守られているのに、心だけが置かれていかれたみたいだった。
たくさんの人に助けられて、逃げてこられたのに、苦しいと感じてる自分を責めることもありました。
「もう大丈夫」
「安心していい」
そう思えば思うほど、気持ちは追い詰められていきました。
逃げる決断をしたからといって、心がすぐに変われるわけじゃなかった。
迷いや怖かった記憶や緊張は、心に残ったままでした。
子どもの前では、できるだけ普通でいようとしました。
大丈夫な顔をしていても、全然笑えていなかったと思う。
守られてる場所にいるのに、楽になれなかった。
でも、私が悪いわけじゃなかった。
ただ、心が追いつくまで、時間が必要なだけでした。
それでも生きていてよかった
逃げる前より苦しく感じる日もありました。
安全な場所に逃げてきても、心はまだあの場所に縛られたままだった。
立ち直れたわけじゃない。
強くなれたとも思ってない。
前向きな気持ちでいっぱいだったわけでもありません。
ただ生きなきゃいけなかった。
毎日を生きるだけで精一杯で、「未来」なんて言葉を考える余裕もなかった時期もありました。
それでも、また朝を迎えて、少しずつ時間だけが進んでいきました。
振り返ってみて、ようやく思います。
あのとき、すぐに前を向けなくても、答えが出なくても、それでも生きていてよかった。
生きていれば、心が少し落ち着く日も来る。
「間違ってなかった」と思える瞬間も、遅れてやってくる。
時間が、私を無理に変えたんじゃなくて、ただ、ここまで連れてきてくれただけでした。
私は今、シングルマザーとしてこの生活を生きています。
▶︎DVから逃げたその後ー時間がたった今