逃げるとき、周りからは「あなたは悪くない」と言われました。
でも私は、その言葉を素直に受け取れなかった。

自分の中には、離れたい気持ちと、まだ迷ってる気持ちが、同時に残っていたからです。

「あなたは悪くない」と言われても、苦しかった

あのとき、誰にも本音は話せませんでした。
逃げるとき、周りはみんな、「あなたは悪くないよ」って言ってくれた。
でもあのとき私の中で、まだ「完全に悪い人」じゃなかった。

逃げたあとも、
「いいところもあった」
「私しかわかってあげられない」
そんな気持ちが、どこかに残っていました。

だから、悪く言われることに、なぜか引っかかる気持ちがあって。
それでも、離れたい気持ちも確かにあって。
その両方が、自分の中にあって苦しかった。

誰にも、本音を話せなかった

周りは味方のはずなのに、心から味方だとは感じられませんでした。

私のつらさも、何があったのかも、逃げたいと思った気持ちも、子どもたちの気持ちも。
「本当の意味では、誰にもわからない」って思っていました。

本音をどこまで話しても、どうしようもない。
そう思ってたし、「こんな感情を持つ私はおかしいんじゃないか」と感じていました。

周りは、「どんな理由があっても暴力はいけない」と言います。
私もそう思っています。

でもその中で、「戻りたい気持ちがある」「まだ迷ってる」そんな感情を持ってる自分が、おかしいんじゃないかと思っていました。

そう思われたくなくて、余計に何も言えなくなっていました。

自分で解決するしかないと思っていた

結局、気持ちは全部、自分で解決するしかない。
当時の私は、そう思い込んでいました。

それはきっと、自分が生きてきた環境のせいでもあったんだと思います。
助けを必要としていた子どもの頃の私を、誰も助けてくれなかったから。

自分で解決するしかなかった。
そうやって生きてきたから、誰かに話すことが余計、簡単じゃなかったです。

言葉にできないまま、時間が過ぎていった

今振り返ると、あのときは、誰かに話すことがすごく難しい状況だったと思います。
自分の中でも、まだ言葉にできない感情ばかりだったから。

今だから、少しだけ思えることがあります。
言葉にできていたら、違っていたのかもしれない、ということ。

あの頃の私は、誰にも言えない気持ちを抱えたまま、ひとりで苦しんでいました。

逃げたあと、自分の心のことまで考えられなかった理由と、あとから知った選択肢について書いた記事があります。
▶︎DVから逃げたあと、心のケアまで考えられなかったあの頃の私|あとから知った選択肢