家を出て、初めて自分だけの生活を頃のことを思い出しています。
当時の私は、先の見えない不安の中で必死に自分の足で生きていくしかありませんでした。

母の目に見えない束縛や緊張から解放されつつも、同時に感じた孤独や現実の厳しさーーあの頃の自分の気持ちを振り返ります。

初めて自分だけの生活を始めた頃

家を出たとき、夢や希望はありませんでした。
あの頃の私は、流されるように毎日を過ごしていました。
それでも、母や男の顔色を気にしなくていいだけで、心のどこかでほっとしていたと思います。
気を張り続けていたことに、やっと気づいた気がします。

でも、現実はそれ以上に重かった。
受け止めきれなくて、あの頃の私は自暴自棄になっていたと思います。
何が正しいかなんて考えられなかった。

そんなふうに過ごせば過ごすほど、自分だけ別の世界にいるような気がしました。
それでも、どんなに迷っても、どんなに間違っても、ちゃんと生きようとしてた。
今思えば、それだけでも十分だったと思います。

当時感情はもうはっきりとは覚えていないけど、あの家にあのままいたら、私はどうなっていたかわかりません。
家を出て初めて、自分のために生きていたんだと思います。

食器が置かれたキッチン、奥の部屋は暗い。

自由の中で突きつけられた現実

家を出たことで、あの家にいたときの窮屈さや緊張感からは少し解放されました。
でも、同時に、それはただ居場所を失っただけでした。

家を出るとき、母が新しい命を宿していたことは、私にとって大きなショックでした。
母のお腹にいる子は大事にされるのに、私は捨てられたんだーそんな思いが、ずっと心に刺さって離れませんでした。

学校の友達と会えば、制服を着て笑い合う姿が羨ましかった。
友達の家に遊びに行くと、温かいご飯があり、優しい会話があふれていて、私の現実との違いに胸が苦しくなりました。

同じ年なのに、私とは生きてる世界が違いました。
一緒にいると苦しくなって、だんだん会うこともなくなり、そこに私の居場所はもうどこにもありませんでした。

本当なら、まだ親の元で子どもでいていいはずなのに、私は大人にならなくちゃいけなかった。
私も、親の愛情のもとで、友達と過ごしたかった。
そんな当たり前なことが、私には許されなかった。
ただ、生きていくために、強くならなきゃいけませんでした。

新しい生活で感じた孤独と母の存在

家を出ても、染み付いてきた気持ちは簡単には消えませんでした。
夢もなく、ただなんとなく生きてるだけ。
あの家を離れても、心の中にはいつも母がいた。

私の心は、ずっと過去に縛られてるみたいで、そんな現実を受け止めるのは簡単じゃありませんでした。

そんな中、母からの連絡や妹の存在が、また私の心を重くしました。
時間が経つほど、守ってくれる人のいない寂しさが私を孤独にさせました。
その現実に、母や妹のことが重なり、私の心は壊れそうになっていきました。

最後まで読んでくれてありがとうございました。